新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、丸亀市のうちわメーカーが、疫病を鎮めるとされる半人半魚の妖怪「アマビエ」をデザインした塗り絵うちわキットを製作した。アマビエと海の生き物が描かれた塗り絵のシール紙に色を塗り、うちわの骨に貼り付けると完成する。うちわも厄を打ち払うといわれており、丸亀市のうちわメーカーは「収束を願いながら、家族で一緒に塗り絵を楽しみ、新型コロナで沈んだ空気をアマビエのうちわの風で打ち払ってほしい」としている。


疫病退散の御利益があるという妖怪「アマビエ」を描いた塗り絵うちわ


 アマビエは、江戸時代に肥後国(熊本県)に現れ、「疫病が流行するので、私の写し絵を人々に見せよ」と告げたという言い伝えがある。長い髪にくちばし、うろこに覆われた胴、3本のひれという姿で描かれることが多い。新型コロナの広がりとともに、疫病退散に御利益があるとして会員制交流サイト(SNS)で関心を呼んでいる。

 うちわセットを製作したのは矢野団扇。うちわの名の由来は、虫や厄を「打ち払う」から転じたとされることから、話題のアマビエと組み合わせた商品を企画した。矢野功雄専務は「子どもがアマビエの塗り絵を楽しみ、少しでも明るい気持ちになってもらえたら」と話している。

 アマビエのかわいらしいデザインは、インターネットで自由に入手できるフリー素材を活用。子どもたちの感性で自由に色を塗ってもらうため、塗り絵の見本は付けていない。うちわの裏面に貼るシール紙は無地で、自分だけのアマビエを描くことができる。うちわの骨は、疫病退散の御利益が増すようにと、金と銀の2色セットにした。

 商品は、グループ会社のかぐや姫のホームページで通信販売をしている。2本セットで990円(送料・消費税込み)。善通寺市原田町の矢野団扇の工場・物流センターでも取り扱っている。問い合わせは矢野団扇、電話0877-63-6211。

(四国新聞・2020/05/26掲載)


株式会社かぐや姫 「アマビエ」デザインのうちわ


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