初夏の訪れを告げるホタルが三木町氷上の吉田川上流で舞い始めた。成虫になって2週間ほどしかない短い命を精いっぱい謳歌(おうか)するかのように乱舞しており、幾多の黄緑色の光が暗闇に浮かび上がり、辺りを幻想的な雰囲気に包んでいる。


生い茂る草木の中、黄緑色の光を放ちながら乱舞するホタル=三木町氷上(多重露光で撮影)


 川沿いに人の侵入を拒むように生い茂る草木。薄暮の時間帯になると川岸の木の枝葉や中州に生える草の中から黄緑色の光が一つ、また一つと点滅し始める。1匹が飛び立つと、ほかのホタルも後を追うように飛び始める。闇が深まるにつれて光跡が鮮やかさを増し、水面に沿って文様を描くように重なり合っている。

 近くの橋の上からは「もうホタルが飛んでるよ」と親子連れらしき声が聞こえ、子どもたちの歓声が上がっていた。

 ホタルは6月上旬ごろまで楽しめるという。

(四国新聞・2020/05/26掲載)


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