香川県高松市出身の現代美術家川島猛さん(90)の展覧会「川島猛展―I’m glad」が、6日から香川県丸亀市中津町の中津万象園・丸亀美術館で開かれる。川島さんが4年前に米国から帰国した後、美術館で開く初の個展。新作の宇宙シリーズなどを紹介し、作家の「今」を伝える。8月30日まで。


「僕の現在の活動を見てほしい」と話す川島さん=香川県高松市亀水町、川島猛アートファクトリー

「僕の現在の活動を見てほしい」と話す川島さん=香川県高松市亀水町、川島猛アートファクトリー


 川島さんは高松工業学校(現高松工芸高)、武蔵野美術専門学校(現武蔵野美術大)を経て、あこがれだった猪熊弦一郎(1902~93年)の後を追うように63年に渡米。現代アートが盛んだったニューヨークで半世紀以上にわたって活動し、2016年からは高松市に拠点を置いている。展覧会「川島猛展―I’m glad」は、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市浜町)のリニューアルオープンを記念して企画された。

 会場では近作を中心に約50点を紹介。帰国後に制作した絵画・宇宙シリーズの「舞」(173×428センチ)は、緻密で多彩な色の線を画面いっぱいに描写しており、作家の世界観が迫ってくるような大作。01年の米同時多発テロで「世の有為転変」を実感して制作したというカレイドスコープ(千変万華)シリーズも並ぶ。このほか「今生の楽園」をテーマにしたドリームランドシリーズの版画を紹介する。

 展覧会タイトルの「I’m glad」は帰郷の喜びや、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催中の猪熊展と同時期に展覧会ができる喜びを込めたという。川島さんは「僕の現在の活動を多くの人に見てほしい。作家としての生き方を学ばせてもらった猪熊先生への感謝も示したい」と話している。

 中津万象園保勝会主催、川島猛アートファクトリーの協力で実施。観覧料は一般800円ほか。問い合わせは丸亀美術館、電話0877-23-6326。

(四国新聞・2020/06/03掲載)


中津万象園・丸亀美術館

川島猛展‐ I’m glad


会期 2020/06/06~2020/08/30
開催地 香川県丸亀市中津町25-1
中津万象園・丸亀美術館
開館時間 9:30 ~ 17:00(入館は16:30 まで)
休館日 水曜日
鑑賞料 大人800円、小中生400円
TEL 0877-23-6326


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