さぬき市多和の四国霊場結願寺・大窪寺の近くで、初夏を彩るアジサイが見頃を迎えた。新緑に囲まれる中、梅雨時季の恵みの雨を受けて日を追うごとに色づきを増しており、みずみずしい優しい青色の花が、お遍路さんや訪れた人らの心に潤いをもたらしている。


見頃を迎えて咲き誇るアジサイ=さぬき市多和


 アジサイが花をつけているのは、大窪寺から徒歩10分ほどの山の斜面。近くでは毎年春、シダレザクラが咲き誇っている。

 門前で飲食店を営む井川義雄さん(69)の亡き父が約40年前に山の斜面を切り開いてアジサイ約千株を植栽したのがきっかけ。その後も少しずつ株数を増やし、現在は約1ヘクタールに1500株が群生している。

 井川さんによると、今年は色づくのが例年に比べて1週間ほど遅かったというが、10、11両日の降雨で、一気に見頃になった。青色が中心だが、ピンクや赤色のアジサイも楽しめるという。

 12日午前に高松市牟礼町から夫と2人で訪れた60代女性は、「斜面に咲いていて夏色の青色が映える。よく手入れが行き届いていてきれい」とにっこり。井川さんは「今年は花つきがいい“当たり年”。新型コロナウイルスで気苦労も多いと思うが、自然の中でおいしい空気を吸いながら花を見て、気分転換してもらえたら」と話している。

 見頃は7月上旬までの見通し。

(四国新聞・2020/06/13掲載)


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