多度津高校(香川県多度津町)の生徒が川魚のアマゴを海水にならして養殖したサツキマスが、香川県高松市屋島東町の新屋島水族館で展示されている。サツキマスは食用ながらも、市場に出回ることがほとんどない「幻の高級魚」。銀色に輝く30匹が優雅に泳ぐ姿に注目が集まっている。


新屋島水族館で展示している多度津高の生徒が育てたサツキマス=香川県高松市屋島東町

新屋島水族館で展示している多度津高の生徒が育てたサツキマス=香川県高松市屋島東町


 サツキマスはサケ科で、アマゴの降海型魚。遡上(そじょう)する川の水質悪化などに伴って漁獲量は極めて少なくなっており、希少性と味の良さから高級魚として珍重されている。

 多度津高校では、2013年度から海洋生産科栽培技術コースの生徒たちがアマゴを段階的に海水にならす手法でサツキマスを養殖している。今年は1月から300匹を養殖し、5月の出荷に向けて準備を進めてきた。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で飲食店などの休業が相次ぎ、魚を販売しにくい状況にあったことから今年は出荷を断念。「せめて一般の人に見てもらえる機会を」と新屋島水族館に30匹を寄贈した。

 新屋島水族館の屋内に設けられた展示コーナーでは、体長40センチほどのサツキマスが群れをなすかのように悠々と泳ぐ様子を楽しむことができる。

 3年の山縣弘汰さん(17)は「実習時は常に上から魚を見ていたので、横から泳ぐ姿を観賞するのは初めて。改めて美しい魚だと思った。あまり見る機会がない魚なので、ぜひ多くの人に見てもらいたい」と話していた。

(四国新聞・2020/07/05掲載)

新屋島水族館


所在地 香川県高松市屋島東町1785-1
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日 年中無休
TEL 087-841-2678

新屋島水族館



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