小豆島遍路、軽トラでPR 大阪の男性、ほろに独自図案 「知らなかった」会う人関心
小豆島八十八カ所霊場を巡拝している大阪市の男性が、寺院巡りをする際に使用している軽トラックのほろに小豆島とお遍路さんを一体化したデザインを施し、島遍路のPRに一役買っている。車を見た島外の人からは「小豆島にも八十八カ所霊場があるの?」と関心を持って声を掛けられるという。
男性は大阪市東成区の会社経営、永田博之さん(53)。3年前から島霊場の巡礼に取り組むようになり、これまで4巡している。
1巡目で島霊場総本院(香川県小豆郡土庄町)を訪れた際にお遍路さんが減少傾向にあることを聞き、「巡拝者が減っているのは、宣伝不足が原因では。自分なりにPRできれば」とぼんやり思うようになった。
実行に移したのは昨年5月。軽トラックを購入した際、巡拝時に仮眠もできるようにと「キャンピングカー仕様」を思い立った。業者に依頼して荷台に鉄製のフレームを組み、ほろを張った。島霊場をPRするデザインは島内で見掛けた案内看板などを参考に独自で考え、カッティングシートを使って手作りした。
図案には「小豆島八十八カ所巡拝」の文字や各寺院名を添え、車両後部には「南無大師遍照金剛」の文字も入れている。
永田さんは島霊場巡りに先立ち、5年前からは四国八十八カ所霊場も巡礼している。札所で出会ったお遍路さんらからは「小豆島にも八十八カ所があるんですね。今度お参りしてみます」など話し掛けられるという。
5日には島霊場54番札所・宝生院(香川県小豆郡土庄町上庄)など約20寺院を日帰りで回り、5巡目をスタート。3巡したことで権少(ごんしょう)先達となったが、永田さんは「先達としてはまだまだ下のランク。走る広告塔となって島遍路をアピールし、お大師さんのお役に立ちたい。そして活動が島の活性化につながればいい」と意気込んでいる。
永田さんと交流のある島霊場70番札所・長勝寺(香川県小豆郡土庄町長浜)の土山悠勝住職(島霊場会常務)は、「永田さんの取り組みはありがたい限り。私たちも頑張らないと」と感謝している。
(四国新聞・2020/07/08掲載)