フクロウにインコ、ハリネズミ―。普段は見ることが少ない動物と触れ合えるカフェが、香川県善通寺市にオープンした。休日には多くの家族連れらが訪れ、癒やしのひとときを楽しんでいる。「身近に動物を感じることで畜産業にも興味を抱いてほしい」。店主夫婦には、来店者に動物との触れ合いを楽しんでもらうだけでなく、後継者不足が叫ばれる畜産に関心を持ってもらいたいという願いがあるという。


肩の上に乗るフクロウ=香川県善通寺市原田町、アニマルカフェHaru-Haru Farm

肩の上に乗るフクロウ=香川県善通寺市原田町、アニマルカフェHaru-Haru Farm


 カフェは香川県善通寺市原田町の「アニマルカフェHaru-Haru Farm(ハルハルファーム)」。同市出身で実家が黒毛和牛の繁殖を手掛ける畜産業の塩田薫さん(47)と妻の由紀さん(47)が6月にオープンさせた。薫さんは元警察官。大阪府警に刑事として15年間勤め、家の事情で2008年に帰郷。その際、動物のにおいや鳴き声などが原因で畜産業が敬遠されている現状を知った。

 「動物が身近な存在になれば畜産業への距離も近くなるのでは」。そう考え、動物のいるカフェを開くことにした。さらに、「せっかくなら四国にないような店にしよう」と普段あまりなじみのない動物を迎えることに決めた。

 店にいるのはフクロウとインコ、ハリネズミ、ヤギ、リクガメ、ウサギで、動物取扱責任者の資格を持つ薫さんのアドバイスの下、店内に設けた専用スペースと外で触れ合える。インコの「ピスタチオちゃん」は、持ち主不明で大阪府警に保護されていたインコで、薫さんが警察官時代に譲り受けたという。ウサギの背中に乗る愛嬌(あいきょう)たっぷりの姿が見られる日もある。

 フクロウの肩乗せやリクガメとヤギへの餌やりなどもでき、店には家族連れらの笑顔が広がっている。地元の産直市で手作りのお菓子の販売もしている由紀さんが作るケーキも評判という。

 動物との触れ合いは1グループ500円で、外にいるヤギとリクガメの餌やりは100円。塩田さん夫婦は「誰もが落ち着ける空間を提供したい。動物だけでなく人との憩いの場にもなれば」と話している。

(四国新聞・2020/07/15掲載)

アニマルカフェHaru-Haru Farm


所在地 香川県善通寺市原田町890-1
営業時間 10:00~15:00
定休日 毎週水曜日、土曜日
TEL 0877-85-5660


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