高松市は、国の史跡・天然記念物に指定されている屋島の魅力をまとめたガイドブックを発行した。台地状の山の地質や生息する動植物、数多い史跡などについて、写真や図を盛り込むなどして分かりやすく解説している。市埋蔵文化財センターは「屋島の歴史や文化的な価値をまとめた一冊。老舗観光地の復権へ、一助になれば」としている。


高松市が発行した屋島の魅力をまとめたガイドブック(右)とパンフレット


 古代山城・屋嶋城(やしまのき)跡の調査が昨年度までに一区切りついたことを機に、これまでの調査成果をまとめた。

 B5判、オールカラーの全60ページ。屋島の成り立ちや動植物、歴史などをテーマごとに紹介している。

 屋島を代表する史跡の一つ「屋嶋城跡」では、築城の背景や城の構造、2015年度に復元された城門遺構などについて写真やイラストを交えて解説。屋島周辺に残る源平合戦の古戦場跡も取り上げ、「那須与一の扇の的」「義経の弓流し」などの主な戦のエピソードを屏風(びょうぶ)絵などと共に伝えている。

 また北嶺や南嶺など各地区の見どころを紹介したページでは、各エリアを上空から捉えた赤色立体地図も盛り込んでおり、地形の様子を詳細に見ることができる。

 市埋蔵文化財センターは「本を手に、ぜひ現地を訪ね歩いてもらいたい」としている。

 価格は千円(税込み)。市埋蔵文化財センターや市文化財課、市歴史資料館などで販売している。また、ガイドブックのダイジェスト版となるパンフレット(A4判、三つ折り)も2万5千部作製し、市埋蔵文化財センターなどで無料配布している。

 問い合わせは市埋蔵文化財センター、電話087-823-2714。

(四国新聞・2020/07/28掲載)


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