香川、岡山の備讃諸島の石にまつわる文化をテーマにした日本遺産「石の島」を構成する文化財に、香川県丸亀市の本島の「千歳座(ちとせざ)」と広島の「心経山(しんぎょうざん)」など3件が追加された。これで構成文化財は48件となった。


塩飽大工が建てた芝居小屋「千歳座」=香川県丸亀市本島町

塩飽大工が建てた芝居小屋「千歳座」=香川県丸亀市本島町


 日本遺産は、地域の文化財や伝統芸能を物語としてまとめ、観光の振興などを通して地域活性化を目指す制度で、文化庁が2015年度から認定。石の島は丸亀市や土庄町、小豆島町、岡山県笠岡市の採石と海運の歴史、文化が19年度に認定を受けた。今回は内容の変更申請が6月中旬、文化庁に認められた。

 千歳座は、優れた操船術で名をはせた塩飽水軍の造船の技を生かした塩飽大工により、1862年に建てられた芝居小屋。本島など塩飽諸島の繁栄や風俗を物語る建物で、今も島民らが活用している。


弘法大師ゆかりの霊場の「心経山」=香川県丸亀市広島町

弘法大師ゆかりの霊場の「心経山」=香川県丸亀市広島町


 心経山は、巨岩や怪石が露呈する弘法大師ゆかりの霊場。山頂の巨石には神仏が祭られている。山の丁場から切り出される花こう岩は良質な「青木石」として知られる。

 このほか、笠岡市の六島の「大石山」が構成文化財に追加された。

 丸亀市にある構成文化財は12件に増えた。梶市長は「追加は大変うれしく、誇りに思う。新たな魅力が加わった石の島のストーリーにぜひ触れてほしい」としている。

(四国新聞・2020/08/13掲載)

千歳座


所在地 香川県丸亀市本島町670

千歳座

心経山


所在地 香川県丸亀市広島町

心経山

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