映画「二十四の瞳」の舞台となった苗羽小学校田浦分校(現在の岬の分教場)で“おとこ先生”として親しまれた元教員、池田正輔(まさすけ)さん(1997年死去)が撮影した写真を紹介する展覧会が、小豆島町田浦の二十四の瞳映画村で開かれている。戦後間もない子どもたちの屈託のない表情や当時の生活様式などを伝えており、来場者の郷愁を誘っている。11月30日まで。


戦後間もない頃の小豆島の子どもたちの様子を捉えた池田正輔さんの写真展=小豆島町田浦、二十四の瞳映画村内ギャラリーKUROgO


 展覧会は「岬の分教場回顧録 池田正輔展」として、映画村内のギャラリーKUROgOで開催。写真パネル49点に加え、池田さんが描いた絵画9点なども並べた。

 池田さんは48年、妻の嘉代子さん(2008年死去)と一緒に夫婦で同分校に赴任し、9年間在籍。カメラが趣味だったことから、子どもたちの学校での様子や日常風景を撮りためていたという。

 子どもたちを題材にした写真では、分校近くの浜辺で相撲を取る様子や芝居見物の場面などが目を引く。いずれも子どもの生き生きとした表情を的確に捉えており、教え子への愛情が伝わってくる。寒霞渓への遠足やイワシ漁の様子なども当時の暮らしぶりを知る上で興味深い。

 京都府木津川市から家族7人で訪れた山田由香里さん(28)は「外で大勢で遊ぶ子どもたちの様子は今ではあまり見られないのでほほ笑ましい」と話していた。

 展覧会は入場無料だが、映画村の入村料として中学生以上790円、小学生380円が必要。

(四国新聞・2020/08/16掲載)

二十四の瞳映画村


所在地 香川県小豆郡小豆島町田浦甲931
営業時間 9:00~17:00
定休日 無休
TEL 0879-82-2455

二十四の瞳映画村



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