高松市歴史資料館(同市昭和町)で、全国の郷土玩具を紹介する収蔵品展「JAPANESE FOLK TOYS」が開かれている。香川の張り子人形をはじめ、紙や土など身近な素材で作られた約650点が並び、担当学芸員は「郷土玩具には各地の暮らしや風俗が映し出されており、旅を楽しむように鑑賞して」と話している。7月15日まで。


地域ごとに特徴が異なる東北地方のこけしが紹介されている=高松市昭和町、市歴史資料館

地域ごとに特徴が異なる東北地方のこけしが紹介されている=高松市昭和町、市歴史資料館

 郷土玩具は五穀豊穣や病気平癒などを願い、祭りや節句に合わせて作られたものが多い。同展では47都道府県の玩具を地域ごとに分け、それぞれの特徴や作られた背景などをパネルで解説している。

 香川の展示は約100点。高松張り子の第一人者、故宮内フサの作品を集めたコーナーでは、穏やかな表情が特徴的な「ほうこうさん」のほか、花嫁が婚礼の際に近隣の子どもに配ったとされる土製の「つまみ人形」などが並ぶ。病よけのため善通寺市で作られていた「永井だるま」は、胴体に描かれたバナナ形の柄が目を引く。

 東北地方のこけしは温泉地の土産物として広がったとされ、11系統に分類。津軽系(青森県)はおかっぱ頭でアイヌ文様の胴体が多いなど、地域ごとの特色がうかがえる。九州地方は「きじ車」など車輪付きの玩具が多く、海外との交易が盛んだったことから派手な色が目立つという。

 ロビーでは現在も活動している作家の張り子人形を展示。期間中、好みのこけしを選ぶ人気投票を行っているほか、ワークショップやスタンプラリーも開催している。入場料は一般200円ほか。問い合わせは同館、電話087(861)4520。

(四国新聞・2019/06/06掲載)

高松市歴史資料館


所在地 高松市昭和町一丁目2番20号(サンクリスタル高松4階)
営業時間 9:00~17:00
定休日 月曜日
TEL 087-861-4520


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