2019年度の「県文化芸術新人賞」を受賞した三豊市出身の日本画家、福本百恵さん(36)=岐阜市在住=の作品展(中津万象園保勝会主催)が5日、丸亀市中津町の中津万象園・丸亀美術館で始まった。日展で初めて入選した作品から、今回の展覧会に向けて制作した新作まで計27点が会場に並んでおり、画風の流れをたどることができる。11月9日まで。


展覧会に向けて制作した新作を解説する福本さん(左端)=丸亀市中津町、中津万象園・丸亀美術館


 福本さんは花や鳥を主なモチーフに作品を手掛け、鮮やかな色彩を用いることで日本画の魅力を現代的に表現している。日展で9度の入選を重ね、全国で個展を開催。今回は県文化芸術新人賞を受賞後、県内で初めての作品展となる。

 本展に合わせて制作した新作「Tree of life」は横5メートル、縦1・8メートルの大作。自らの画家としての道のりを振り返り、それを花と鳥に置き換えて花鳥画で表現した。花は今までの作品中で題材にしたものを描き、来館者の目を引く背景の赤は「挑戦」を象徴する色という。

 05年に日展で初の入選を果たした「金魚」は自身の原点となる作品の一つで、夏の日差しが降り注ぐ水面の青色と水中の金魚の赤色が印象的。ほかにも、人間の欲をテーマにした「i am…」、デジタル機器に依存した社会を描く「depend on」などの作品を紹介している。

 福本さんは「多くの方に作品を自由に見て、自由に感じて、自由に想像して、楽しんでいただけるとうれしい」と話している。

 水曜休館。開館時間は9:30~17:00。鑑賞料は大人300円、小中学生100円。問い合わせは中津万象園・丸亀美術館、電話0877-23-6326。

(四国新聞・2020/09/06掲載)

中津万象園・丸亀美術館


所在地 香川県丸亀市中津町25-1
営業時間 9:30~17:00
定休日 水曜日
TEL 0877-23-6326


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