小豆島南端の三都半島で12日、現代美術の展覧会「三都半島アートプロジェクト2020」が開幕した。広島市立大芸術学部の教員や学生らが地元住民と交流するなどしてイメージを膨らませた彫刻や絵画などが廃工場や古民家などに展示され、来場者を楽しませている。27日まで。入場無料。


昆虫ナナフシを巨大化した木彫作品を楽しそうに鑑賞する家族連れ=香川県小豆島町神浦

昆虫ナナフシを巨大化した木彫作品を楽しそうに鑑賞する家族連れ=香川県小豆島町神浦


 地元自治会と小豆島町による実行委員会が、地域活性化や若手芸術家の育成などを目的に2014年から毎年開催。例年ならアーティストが現地にとどまって作品を制作するが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で滞在制作の機会は少なかった。それでも過去最多約30人の作家から多彩な作品が寄せられ、充実した内容となっている。

 会場は神浦地区が中心。旧アサリ養殖工場では、12人の作家がそれぞれに島の歴史や文化、風土から着想を得た彫刻や絵画、映像作品などが並ぶ。目を引くのは昆虫ナナフシを巨大化した木彫作品。全長約4メートルもあり、小豆島町草壁本町から両親らと訪れた男児は「めちゃすごい」と歓声。母親は「子どもでも分かる作品が多く、家族で楽しく会場を回っている」と話した。

 古民家を活用した会場では、「木」をテーマにした彫刻や絵画を展示。神浦コミュニティーセンターでは住民が所有する写真や、新たに撮影してもらった写真などが並ぶ。小豆島ふるさと村(小豆島町室生)では瀬戸内国際芸術祭2013で発表された巨大絵画作品「花寿波島の秘密」が最後の公開(10月4日まで)となり、アーティストの島での活動を写真パネルで振り返っている。

 展覧会の問い合わせは小豆島町生涯学習課、電話0879-82-7015。

(四国新聞・2020/09/13掲載)


「三都半島アートプロジェクト」公式アカウント(Twitter)

三都半島アートプロジェクト2020


展示マップ入手場所 神浦コミュニティセンター(香川県小豆郡小豆島町神浦432-1)
ふるさと村(香川県小豆郡小豆島町室生2084-1)
オリーブ公園(香川県小豆郡小豆島町西村甲1941-1)
開催日時 2020/9/12(土曜日)~9/27(日曜日)10:00~17:00
※会期中無休
入場料 無料
TEL 0879-82-7015(小豆島町生涯学習課)

神浦コミュニティセンター

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