高松空港と各地を結ぶバスなどの「2次交通」が充実している。来月には西讃観光(観音寺市)が愛媛県四国中央市との路線を開設し、この1年で新設されたバス路線は3路線となる。新規参入のバス事業者は訪日外国人客をメインにした高松空港の利用者増を商機と捉えており、既存のバス会社も増便、タクシー事業者も定額制の新サービスに乗り出している。


民営化から1年余りが経過した高松空港。新規のバス路線など2次交通が充実している=香川県高松市香南町、高松空港

民営化から1年余りが経過した高松空港。新規のバス路線など2次交通が充実している=香川県高松市香南町、高松空港


 高松空港の利用者は国際線の充実などで増加。2018年度には200万人を突破した。18年4月に民営化、運営する高松空港株式会社は2次交通の充実を進め、バス・タクシー事業者との連携を強めている。

 7月に四国中央市から観音寺市などを経由する路線を開設する西讃観光は、貸し切りバス事業がメインで、路線バス事業は初めて。同社は「少子化などで遠足やツアーの需要縮小が予想されるため」と参入を決めた理由を説明する。

 同社のほか、琴平バス(琴平町)は18年7月、外国人客に人気の徳島県祖谷地区とを結ぶ路線の運行を始め、空港アクセス事業に参入。増加傾向にある海外の個人旅行者のニーズに対応する。同10月にはJR高知駅との路線も開設した。

 既存のバス事業者では、JR丸亀・坂出駅とのリムジンバスを運行する琴参バス(丸亀市)は2月から、高松空港の朝1便に接続する早朝の便を増便。JR高松駅からのリムジンバスを運行のことでんバス(高松市)は3月にSuica(スイカ)など10種類の交通系ICカードを利用できる車載器を導入した。

 一方、高松タクシー協会(高松市)に加盟する25社は4月、定額料金制のサービスを始めた。市中心部を3エリアに分けて定額料金でタクシーに乗れる仕組みで、料金の分かりにくさの解消を狙う。

 新規事業者らにとっての課題は、新路線やサービスの知名度の低さ。各社は旅行代理店へのPRや空港と連携した情報発信などに取り組んでおり、「浸透には2年ぐらいの我慢が必要。早く軌道に乗せたい」(琴平バス)としている。

(四国新聞・2019/06/14掲載)



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