香川県小豆郡小豆島町福田の福武ハウスアジア・ギャラリーで9月19日、現代アートの展覧会「時代の風景・時代の肖像」(福武財団主催)が開幕した。アジアのアーティスト11組による絵画や写真、映像作品など計21点が並び、来場者は作家の制作意図をくみ取ろうと熱心に見入っている。11月3日までの金曜~月曜日、祝日のみ開館。


森万里子さんの写真作品の大作に見入る家族連れ=香川県小豆郡小豆島町福田、福武ハウスアジア・ギャラリー

森万里子さんの写真作品の大作に見入る家族連れ=香川県小豆郡小豆島町福田、福武ハウスアジア・ギャラリー


 福武ハウスは2013年の瀬戸内国際芸術祭に合わせ、旧福田小を改装して整備。アジアの美術家が活動する「アジア・アート・プラットホーム」として、作品を展示したり、食堂を展開したりしてきた。

 「時代の風景・時代の肖像」ではベネッセアートサイト直島が所蔵する若手アーティストの作品を中心に展示。「1970年」「バブル経済期」「スクラップ&ビルドと都市化」などをテーマに、その時代背景からさまざまな思索を促す内容となっている。

 主会場となっている2階の大広間で目を引くのが、森万里子さんの写真作品の大作。作家自身が人魚の衣装に身を包んで水辺の風景に溶け込み、現実と仮想未来が融合したような独自の世界に見る者を引き込む。

 アマンダ・ヘンさん(シンガポール)による母と抱き合う2枚の写真の対比は、20年の時の流れとともに関係性が強まった様子が見て取れる。作家が三島由紀夫になりきって檄(げき)を飛ばす映像作品などもある。

 京都市から訪れた学生(22)は「キャプションを読み込まないと意図が分からない作品もあるが、それはそれで面白い。大学でデザインを学んでいるので、デザインとアートの違いを理解する上でもこの展覧会は興味深い」と話していた。入場料は510円(15歳以下無料)。問い合わせは福武ハウス、電話0879-62-9301。

(四国新聞・2020/09/20掲載)

「時代の風景・時代の肖像」


会場 福武ハウス アジア・ギャラリー(香川県小豆島町福田718-1)
会期 2020/09/19(土)~11/03(火)
※金曜~月曜日、祝日のみ開館
開館時間 11:00~17:00(最終入館は16:30)
入場料 510円(15歳以下無料)
TEL 0879-62-9301(福武ハウス)
※11:00~17:00 休館日除く


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