崩落の痕跡、間近に 埋没石垣を取り外し展示 丸亀城
丸亀城の崩落した三の丸石垣の地中に埋まっているのが見つかった「埋没石垣」のうち、丸亀市は一部を取り外し、城内の石垣復旧PR館の横に移設して19日から展示を始めた。埋没石垣は江戸期の17世紀中ごろに造られ、災害で崩れたまま350年以上も埋まっていたとみられる石垣で、巨大な石に残された割れやずれなど、かつての崩落の痕跡を間近に見ることができる。
埋没石垣は、丸亀城を再築した山崎氏が1645年以降に築き、江戸幕府から修築の許可を得た49年までの間に崩落した三の丸坤櫓(ひつじさるやぐら)台の石垣とみられる。修築時に破損したまま埋められ、その上から2018年の大雨で崩落した石垣が築かれたという。江戸期の崩落原因は不明だが、自然災害の可能性が高い。
市は石垣復旧工事に合わせて、埋没石垣をいったん取り外した後、三の丸石垣の積み直し時に安全を確認した上で、元の位置に戻すことを検討している。それまでの期間、市民や観光客らに見学してもらいたいと公開展示を企画した。
現在確認している6段の埋没石垣のうち、展示しているのは上部の3段。石垣の隅の部分に当たり、高さ約1・5メートル、幅と奥行きは各約3・5メートルある。近くに解説板を設けた。
展示に当たっては、石垣の向きや積み上げたときの角度など、地中に埋まっていた通りの姿をできる限り忠実に再現した。石垣の内部に詰められていた栗石(ぐりいし)も現場にあったものを移して敷き詰めている。
石垣を見ると、石がひび割れていたり、積み上げた石がずれていたりと、全体にかなり傷んでいることが分かる。江戸時代の文書に書かれていた370年ほど前の石垣の破損を裏付ける貴重な遺物という。
市文化財保存活用課は「長く地中に埋まっていたかつての石垣を見て、丸亀城の歴史を感じてほしい」としている。
(四国新聞・2020/10/20掲載)
丸亀城
所在地 | 香川県丸亀市一番丁 |
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観覧時間 | 天守 9:00~16:30(入場は16:00まで) 大手一の門 9:00~16:00 |
休城日 | なし |
TEL | 0877-22-0331 |