三枝惣太郎の足跡紹介 庵治牟礼の石工にデザイン指導 高松・11月1日まで
香川県高松市庵治町出身の彫刻家・三枝惣太郎(1911~2006年)の作品や功績と、三枝が地元石工を指導したデザイン教室について紹介する展覧会が高松市石の民俗資料館(香川県高松市牟礼町)で開かれている。三枝と教え子によるブロンズ像や石彫など25点を展示。庵治・牟礼地域の若い石工にデザインの重要性を説き「石の里のアーティスト」を育てた三枝の足跡を伝えている。11月1日まで。
三枝は東京美術学校(現東京芸大)を卒業し、日展でたびたび入選。香川県内各地にブロンズ像などを多く残しているほか、動物を象徴的に表現した彫刻の「干支(えと)シリーズ」でも知られる。庵治・牟礼地域の石工の彫刻技術向上を目的に1965年ごろ開講したデザイン教室は「グループコッパ」と呼ばれ、教室で学んだ作家は日展や県展を舞台に今も活躍している。
展覧会では、三枝の作品はブロンズ像など5点を紹介。このうち3羽のペンギンが身を寄せ合う「ペンギン」は、象徴化された3羽の丸みを帯びた輪郭が目を引く。母親が子どもを抱きかかえた「育」は、母子の情愛を抽象的に表現しており、いずれもデザインを重視した三枝の制作姿勢がうかがえる。このほか、グループコッパで学び、現在も活躍している作家が制作した躍動感のある裸婦像や独創的な石彫も並ぶ。
高松市石の民俗資料館前の芝生広場では庵治・牟礼地域の石彫作家12人の新作を紹介する作品展を併催。
観覧料は一般200円ほか。芝生広場の展示は観覧無料。問い合わせは高松市石の民俗資料館、電話087-845-8484。
(四国新聞・2020/10/22掲載)
企画展「三枝惣太郎とコッパ」
企画展「石の里のアーティストたち「テーマ庵治石」Part19」
開催期間 | 2020/10/3(土)~2020/11/1(日) |
---|---|
会場 | 石の民俗資料館 企画展示室 香川県高松市牟礼町牟礼1810 |
開館時間 | 9:00~17:00(入室は16:30まで) |
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般200円、大学生150円、高校生以下無料 屋外展示は無料 |
TEL | 087-845-8484 |
企画展「石の里のアーティストたち「テーマ庵治石」Part19」