現代美術展「かがわ・山なみ芸術祭2020」(かがわ・山なみ芸術祭実行委主催)が24日、香川県綾川町内の5会場を舞台に開幕する。香川県内を中心に約50の作家や地元グループが合わせて約60点を出展予定で、制作、展示作業が大詰めを迎えている。今回は新型コロナウイルス感染予防のため、遠隔地からでも鑑賞を楽しんでもらおうと出展作品などを動画配信する初の試みに挑戦する。


子どもたちが制作した狛犬を奉納する地域住民ら=香川県綾川町枌所東、川上神社

子どもたちが制作した狛犬を奉納する地域住民ら=香川県綾川町枌所東、川上神社


 芸術祭は過疎化の進む山間地域をアートで盛り上げようと、2013年に始まった。4回目の今回は旧枌所小学校のかがわ・ものづくり学校(枌所西)を拠点に、その周辺の野外展示、香川県農協綾上支店(山田上)、いきいきセンター(山田下)、イオンモール綾川(萱原)で11月15日まで開かれる。

 出展作品の一つ「狛犬(こまいぬ)」は、芸術祭の倉石文雄実行委員長と地元こども園の5歳児、職員が共同で制作。6月下旬のワークショップでは、子どもたちは倉石さんからアドバイスを受けながら、粘土で高さ15センチほどの狛犬を45体完成させた。倉石さんは高さ約50センチの一対となる狛犬2体を仕上げた。

 20日、かがわ・ものづくり学校近くの川上神社で、総代ら10人が参道の両側や拝殿などに狛犬を奉納、展示した。総代長の川西敏一さん(85)は「この地域で暮らす人が少なくなる中、立派な作品で盛り上げてくれるのはうれしい」と話し、倉石さんは「地域のとても重要な場所に展示してもらえるのは光栄。子どもたちの気持ちがこもったものができた」と謝意を伝えた。

 遠隔鑑賞については、動画投稿サイト「ユーチューブ」に「モノハウスアートチャンネル」を開設。既に作家へのインタビューや制作風景を紹介しているほか、ダンスパフォーマンスなどのライブ配信も行うという。

(四国新聞・2020/10/22掲載)


かがわ・山なみ芸術祭2020 AYAGAWA



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