香川県土庄町で観光施設「妖怪美術館」を運営するMeiPAM(メイパム)は、香川県小豆島町池田の「国民宿舎 小豆島」と連携し、国民宿舎内の一室で妖怪造形作品を展示する取り組みを始めた。宿泊客はもとより地元住民らにも鑑賞してもらい、島のにぎわいづくりにつなげる。


押し入れに潜む妖怪

押し入れに潜む妖怪


 メイパムは、8~9月には土庄町大部港~岡山県日生港間を運航するフェリーの客室に妖怪作品を展示しており、他事業者とのコラボ企画は第2弾。新型コロナウイルス禍の中、政府の観光支援事業「Go To トラベル」などの効果で観光客が戻りつつある小豆島をさらに盛り上げようと、両事業者が9月から企画を練り、10月15日にスタートした。

 妖怪美術館では現在、東京五輪・パラリンピックにちなんだ企画展「大妖怪運動会」を開催しており、国民宿舎の一室を運動会に出場する妖怪の「選手村」と設定。妖怪美術館が所蔵する作品27点を“出張展示”した。

 国民宿舎116号室の8畳和室では、妖怪たちがテーブルに酒やつまみを並べて宴会を開いたり、押し入れやクローゼットに潜んだりと自由気ままに過ごしている。部屋には大運動会の開幕を報じる新聞や、妖怪たちが獲得したと思われるメダルが散らばるほか、「ニンゲンとのトラブルはご法度」などと記した妖怪向けのインフォメーションを備え付けるなど、細部にまでこだわって演出している。


国民宿舎小豆島の一室で展示されている妖怪の造形作品=香川県小豆島町池田

国民宿舎小豆島の一室で展示されている妖怪の造形作品=香川県小豆島町池田


 国民宿舎の浜中英比呂総支配人(53)は「宿泊客は戻りつつあるが、それでも宿の稼働率は4割ほど。今回の企画をきっかけに宿泊客数が伸び、島民との交流も広がればいい」と話している。

 作品鑑賞時間は島民と一般観光客が12:00~17:00で、宿泊客は15:00~21:00と7:00~10:00。島民と宿泊客は無料だが、一般観光客は国民宿舎か妖怪美術館のツイッターかインスタグラムをフォローするなど一定条件を満たす必要がある。会期の終了日は未定。問い合わせは国民宿舎小豆島、電話0879-75-1115。

(四国新聞・2020/10/26掲載)

国民宿舎 小豆島


所在地 香川県小豆郡小豆島町池田1500-4
TEL 0879-75-1115


国民宿舎 小豆島

妖怪美術館


所在地 香川県小豆郡土庄町甲405
定休日 水曜日
TEL 0879-62-0221


妖怪美術館


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