現代美術展「かがわ・山なみ芸術祭2020」(かがわ・山なみ芸術祭2020実行委主催)が24日、香川県綾川町内の5会場で開幕した。4回目の今回は「解放」をテーマに、県内外の作家や地元グループが合わせて約60点を出展。山の恵みを取り込んだ作品や作家と住民が力を合わせた作品もあり、訪れた人たちの興味を引いている。11月15日まで。


手すき紙にゾウやヒヨコ、シロクマなどを描いた「呼吸をはじめる」=綾川町枌所西、かがわ・ものづくり学校


 芸術祭は過疎化の進む山間地域をアートで盛り上げようと、2013年にスタート。今回のテーマ「解放」には常識や他人の評価などに縛られず、表現に向き合おうとの思いを込めたという。旧枌所小学校のかがわ・ものづくり学校(枌所西)を拠点に、県農協綾上支店(山田上)、いきいきセンター(山田下)、イオンモール綾川(萱原)などが舞台となっている。


幅広い世代が粘土で作った街を組み合わせた作品=綾川町枌所西、かがわ・ものづくり学校


 かがわ・ものづくり学校に出展するイラストレーター、ミズカさん=丸亀市=は手すきの紙を作る際に偶然できたさまざまな形に着目。彼岸花やヨモギ、桜の葉から抽出した色で紙を彩り、ゾウやヒツジ、ヒヨコなどを“誕生”させている。

 芸術祭の倉石文雄実行委員長は、子どもからお年寄りまでの幅広い世代に、粘土でビルや民家、道路などの街(20センチ四方)を作ってもらい、約1600個を組み合わせて屋上に展示。周辺ののどかな風景と対照的な街の造形が来場者の注目を集めている。

 また、いきいきセンターでは、町内の80代女性と作家によるコラボレーション作品も。女性が描いた数百枚のイラストを、作家がひもでつなぎ合わせて頭上に浮かんでいるように飾り、アート作品に仕立てている。

 鑑賞は無料。新型コロナウイルス感染予防のため、かがわ・ものづくり学校で鑑賞する人はスリッパの持参が必要。

(四国新聞・2020/10/25掲載)


かがわ・山なみ芸術祭2020 AYAGAWA


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