作家人生の思い詰め込む 高松で最後の作品展 「すなご染」 佐竹さん かがわ文化芸術祭2020
砂を使った染色技法「すなご染」で知られる佐竹藍月(らんげつ)さん(86)=香川県高松市牟礼町=と佐竹さんの教え子による作品展が、牟礼町の高松市石の民俗資料館で開かれている。佐竹さんは今展を区切りに一線を退くとしており、「作家人生を凝縮した作品展になった。コロナ禍の中だが、染色を通じて芸術界や訪れた人たちに活力を与えたい」と話している。22日まで。
佐竹さんは22歳から独学で染色を始め、1984年に瀬戸内海の砂を使ったすなご染を考案した。日本染織作家展などの公募展で入賞を重ねたほか、四国新聞文化教室の講師を長年務めてきた。2018年ごろから左足が不自由になり、筆やはけを使った作業が困難になったため引退を決めたという。今後は後進の指導に力を注ぐ方針。
今展には佐竹さんと、現在は県内外の染色教室で講師や助手を務める教え子の計6人が出品。すなご染などで染色した着物やドレス、タペストリーなど約100点が並ぶ。
佐竹さんのすなご染は活動初期の作品から近作まで約40点。中には、イタリア・ジェノバの石畳を表現した着物や、長女で声楽家の佐竹由美(なおみ)さんの舞台衣装として制作したドレスなども含まれている。
佐竹さんは今年、三つの染色助剤を使い分けることで筆を用いず染色する「リバーライン染」を完成させた。会場には、教え子が佐竹さんから指導を受けて染め上げたリバーライン染のシャツやストールも並んでいる。
かがわ文化芸術祭2020参加行事。入場無料。月曜休館。問い合わせは高松市石の民俗資料館、電話087-845-8484。
高松市石の民俗資料館
所在地 | 香川県高松市牟礼町牟礼1810 |
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開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
定休日 | 月曜日 |
TEL | 087-845-8484 |