動物のたくましさ描く 発達障害の若手画家が個展
自閉症による発達障害がある愛媛県新居浜市の画家、石村嘉成さん(26)の個展が14日、香川県丸亀市中津町の中津万象園・丸亀美術館で開幕した。厳しい環境で生きる動物たちが見せるたくましさや優しさ、親子愛などを鮮やかな色使いで表現した作品約100点が並び、訪れた人たちは生命の美しさを感じている。来年1月17日まで。
2歳の時に自閉症と診断された石村さんは高校で版画と出合い、本格的に創作活動を始めた。2013年の第2回新エコールドパリ浮世・絵展ドローイング部門で優秀賞を受賞。その後も活躍を続け、高い評価と人気を得ている。
今回の個展「生きていく衝動 作品は僕のことば」は、絵画と版画の計約100点の大半が新作。「サバイバルアニマル」と題した絵画は、画面の左半分で怒りをあらわにしたライオンやトラを、右半分に優しい表情のキリンの親子やサイなどを描き、密猟や環境破壊を問題提起している。
また、シロクマ「ピース」など愛媛県立とべ動物園の動物を題材にしたものや、四国水族館(宇多津町)がテーマの作品も展示。コウモリを描いた作品はあえて灰色や黒の地味な色で構成し、夜の森の雰囲気を伝えている。
版画では、元嘱託警察犬「きな子」の愛らしい表情のほか、極寒の中で生きるシベリアトラの鋭い目つき、ロブスターの大きなツメを捉えた力作が注目を集めていた。
石村さんは「作品を見て、元気になってくれればうれしい」と話している。
(四国新聞・2020/11/15掲載)
生きていく衝動 石村嘉成展~作品は僕のことば~
開催場所 | 中津万象園・丸亀美術館
〒763-0054 香川県丸亀市中津町25-1 |
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開催期間 | 2020/11/14~2021/1/17 |
開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
料金 | 特別観覧料800円/入園料700円/セット券1200円 ほか |
休館日 | 水曜日 |
TEL | 0877-23-6326 |