日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に認定されている多度津町と北前船との関係に焦点を当てた企画展「北前船が着く港多度津」が、香川県仲多度郡多度津町家中の町立資料館で開かれている。町に繁栄をもたらした北前船の交易にまつわる古文書や、江戸~明治時代の港町を描いた絵図などの資料を紹介し、来館者の関心を引きつけている。会期は29日まで。


多度津と北前船との関係を紹介する企画展=香川県仲多度郡多度津町家中、町立資料館

多度津と北前船との関係を紹介する企画展=香川県仲多度郡多度津町家中、町立資料館


 北前船は江戸~明治時代に日本海や瀬戸内海を往来し、各地で積み荷を売買した貿易船。船主や北前船と取引する問屋は巨額の財を築き、寄港地では今も問屋が残した建造物などの歴史的な町並みや多くの文化遺産が見られる。

 本展では約40点の資料を展示。北前船の基礎知識の解説コーナーから始まり、多度津の船問屋などに伝来する古文書、北前船の以前から金毘羅参詣の海の玄関口としてもにぎわった港町の絵図などが並ぶ。


船の積み荷と水揚げ場、積み入れ場などを記載した資料

船の積み荷と水揚げ場、積み入れ場などを記載した資料


 日本遺産の構成文化財や町指定文化財などになっている古文書は、船の往来手形や証文、取引品目の相場表、海路と目印の山や島などを記載した略図などを紹介。中でも瀬戸内地方の砂糖や塩、蝦夷(えぞ)地の海産物や肥料といった商品を、どの寄港地でどれだけ積み入れたり水揚げしたりするかを記録した資料が、来館者の注目を集めている。

 このほか、船で使用した備品も展示。大切な書類や金品を入れた「船箪笥(ふなだんす)」は海難に備え、海に投げ込んでも水が中に入らない作りになっている。

 また、町内の日本遺産の構成文化財をまとめたパンフレットを館内に用意。町立資料館は「多度津と北前船の関係に興味を持っていただけたら、ぜひパンフレットを見て文化財を訪ね歩き、歴史を身近に感じてほしい」としている。

 観覧は無料。24日休館。問い合わせは町立資料館、電話0877-33-3343。

(四国新聞・2020/11/22掲載)

企画展「北前船が着く港多度津」


会場 多度津町立資料館(香川県仲多度郡多度津町家中1-6)
開催日時 2020/10/13(火)~11/29(日)9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日が休)※11/24(火)は休館
入館料 無料
TEL 0877-33-3343


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