香川県善通寺市の総本山善通寺(菅智潤法主)は、拡張現実(AR)技術などを取り入れたスマートフォンによる観光案内サービスを始めた。境内を音声案内するほか、スマホをスポットでかざすとキャラクターが画面上に映し出される仕掛けもあり、観光客に楽しみながら境内を巡ってもらう。


指定の場所で専用スマホをかざすとキャラクターが登場する=善通寺市、総本山善通寺


 サービスの名称は「Voicine WALK(ボイシネウオーク)善通寺~こころに響く空海の言葉」で、NECが開発。同寺は、2023年の弘法大師空海生誕1250周年の記念事業の一環で導入することにした。

 利用者は、総本山善通寺の駐車場にある受付でイヤホンとセットになった専用のスマホを受け取り、五重塔など約10カ所のスポットが記載されたマップを手に境内を歩く。専用スマホには、利用者個人のスマホから位置情報が伝わり、現在地に合ったガイドが流れる仕組み。

 指定のスポットで専用スマホをかざすと、遍路装束姿のオリジナルキャラクターの動物たちが画面に映し出され、一緒に境内を巡っているような感覚が味わえる。仁王門では、そびえ立つ2体の金剛力士像の“声”がイヤホンから流れる。特殊な音響技術を活用しており、像との距離や角度によって自動で音量や聞こえ方が変わる。

 所要時間は1時間程度で、料金は1人1650円。来年1月2日を除く毎週土曜日に実施している。

 総本山善通寺は「サービスを通して、参拝者に新しい発見をしてもらいたい。若者に来てもらうきっかけにもなれば」としている。

(四国新聞・2020/12/27掲載)



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