総本山善通寺(香川県善通寺市)の宝物館で、8世紀のものとされる如来像の頭部など貴重な所蔵品の数々が展示されている。昨年の大みそかに行った展示替えで、奈良時代に書かれた般若心経の墨書なども加わり、来館者の興味を引いている。


貴重な所蔵品の数々が並ぶ展示=善通寺市、総本山善通寺


 総本山善通寺は菩薩(ぼさつ)像や経典など約2万点を所蔵し、一部を宝物館で並べている。3カ月に1回程度展示替えを行っており、今回は25点を紹介している。

 県指定有形文化財の「仏説観仏三昧海経」は8世紀後半の作とされ、虫食いされにくいキハダで染めた紙に経典を書写している。室町時代に描かれた弘法大師空海ら真言八祖のうち4人の肖像画や、総本山善通寺御影堂にある額の基となった皇族・山階宮晃親王による明治時代の書などもある。

 総本山善通寺学芸員の松原潔さんは「価値のある所蔵品がたくさんあるので、ぜひ来館してほしい」と話している。次回の展示替えは3月末ごろの予定。

(四国新聞・2021/01/17掲載)



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