東京芸大出身の美術作家と香川県民がオンラインワークショップで制作した作品を展示する「TURN on the EARTH~わたしはちきゅうのこだま~」が、2月21日から3月7日まで香川県善通寺市文京町の旧善通寺偕行社で開かれる。開幕に先立ち、20日に報道向けの内覧会が行われ、東京からのオンライン解説で同大美術学部長の日比野克彦さんが「新しい形の交流で生まれた個性や、県民それぞれの歴史が込められた作品を楽しんでほしい」と呼び掛けた。


カラフルな糸玉や窓の写真で彩られた大広間=香川県善通寺市文京町、旧善通寺偕行社

カラフルな糸玉や窓の写真で彩られた大広間=香川県善通寺市文京町、旧善通寺偕行社


 現代アートの制作・展示を行う県と東京芸大の連携事業の一環。瀬戸内国際芸術祭への参加経験がある日比野さんが監修し、五十嵐靖晃さん(千葉県在住)、岩田とも子さん(東京都在住)、布下翔碁さん(東京都在住)、そねまいさん(東京都在住)の4作家が参加した。

 作品展示は香川大創造工学部の学生が各作家の指示を受けながら手掛けた。ワークショップは、コロナ禍を受けてオンライン形式で1、2月に実施。4作家が講師を務め、県民を中心に200人余りが参加した。

 会場には、各作家の指導で県民が制作した作品計約1500点を展示。大広間には、瀬戸芸作品「そらあみ」で知られる五十嵐さんがアドバイスした色や大きさの異なる糸玉約千個が並び、幻想的な雰囲気を演出している。五十嵐さんは「糸玉には個人の内面や記憶が表れる。オンラインで対話しながらの制作はいい刺激になった」と振り返った。広間の窓には岩田さんが県民から送ってもらった身近な窓の写真を組み合わせた作品が飾られている。

 外側通路には、そねまいさんが手ほどきし、使わなくなった家族の服などで作ったカラフルなうちわを展示。庭園には、参加した県民それぞれの思い出の地や善通寺の土を混ぜて作られた個性豊かな粘土人形300点以上が並び、関東で作られた人形と組み合わせることで両者の出会いを表現している。

 観覧無料。「TURN on the EARTH~わたしはちきゅうのこだま~」のホームページには会場を3D撮影した映像のほか、作品写真も掲載される予定。

(四国新聞・2021/02/21掲載)

TURN on the EARTH ~わたしはちきゅうのこだま~ 善通寺展


会期 2021/2/21(日)~3/7(日)
時間 10:00~17:00(最終入場は16:00まで)
会場 旧善通寺偕行社(香川県善通寺市文京町2-1-1)
観覧料 無料


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