鉄道ファンらから人気の鉄道模型専門店「模型工房もみじ」(善通寺市弘田町)がオープンから7年を迎えた。Nゲージ(レール幅9ミリ)サイズを中心に数々の模型が並び、中には老舗メーカーの真ちゅう製模型のキットなども。店主の畦田進一さん(48)は「この店に来てよかったと思ってくれる人を増やしていきたい」との思いを胸に、県内外から訪れるファンらを迎えている。


鉄道ファンらをうならせる商品などが並ぶショーケース=善通寺市弘田町、模型工房もみじ


 ものづくりが好きだった畦田さんが、鉄道模型に興味を持ったのは約15年前。飲食店で勤めていた頃の常連客で、鉄道模型店を経営していた男性から譲られた真ちゅう製の蒸気機関車がきっかけだった。

 1ミリにも満たない細かな部品などを組み合わせ、工芸品のような繊細さと美しさを兼ね備えた模型に感銘を受け、仕事をしながら男性の手伝いをするようになった。男性が店を畳む際「やってみないか」と誘われ、妻の後押しもあって店を構えることに決めた。


丁寧に模型の手入れをする畦田さん


 店内には数え切れない商品が所狭しと並ぶ。限られた店でしか販売することのできない、老舗メーカーの真ちゅう製模型のキットなどもそろえ、鉄道ファンらをうならせる品ぞろえで県内外に常連客を持つ。

 来店者は鉄道ファンに限らない。子どもの影響で模型を目にするうち「かっこいい」と興味を持つようになった主婦、夫と乗った思い出の列車の模型を飾ろうと訪れた83歳の女性。店に足を運ぶ人の背景にはさまざまな人生模様がある。

 大型量販店や通信販売の普及で、個人店より安価で模型を購入できるようになったが、畦田さんは「店主との会話や、商品を受け取るときのうれしさなどは、個人店だからこそ味わえる」と魅力をアピール。

 店頭では、商品開発の裏話を伝えるなど、付加価値づくりに励んでいる。会話を楽しみに訪れる客も増えているといい、畦田さんは「商品の魅力をどれだけ伝えられるかが大事。アナログなことかもしれないが、これに勝るものはないんです」と話している。

(四国新聞・2021/02/22掲載)

模型工房もみじ


所在地 香川県善通寺市弘田町1585−1
定休日 月曜日・第2・4火曜日
TEL 0877-85-7889


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