土庄町屋形崎の地元住民らが21日、地域の名所「屋形崎夕陽(ゆうひ)の丘」近くの山斜面に木製遊具やハンモックを設置した。家族連れらに憩いの場を提供しようと、2019年から取り組んでいる活動の一環。住民らは、子どもたちが歓声を上げて楽しむ姿を思い浮かべながら作業に励んだ。


山斜面に木製遊具を設置する「屋形崎夕陽の丘継承会」のメンバー。奥にはハンモック2枚も加えた=土庄町屋形崎


 設置したのは、美しい夕景で知られる当地の発信に努める住民グループ「屋形崎夕陽の丘継承会」。15年に発足し、耕作放棄地だった段々畑にアンズやレモンを栽培する地域再生活動に取り組むほか、19年からは県道26号脇の斜面に木製ブランコやハンモックなどを設置する事業も始めた。

 この日集まった約15人は、遊具設置と果樹への施肥の2グループに分かれ、作業に取り組んだ。木製遊具は、間隔を空けて丸太を設置し、リズミカルに跳んで遊ぶ「ログステップ」などと呼ばれるもの。これまで「座ってゆっくりできるベンチがあればいい」との要望もあったことから、椅子としても使える遊具として設置を決めたという。

 木材は地元神社の伐採木を利用。直径30~60センチの幹を輪切りにしてペンキを塗ったものを、重機で掘った穴に70~100センチ間隔で8個埋めた。ハンモックは従来の布製の2枚に、ナイロン製の2枚を加え、クヌギなどの木につるした。最後には重機で周辺を整地して大きな石は取り除き、きれいな土を敷き詰めた。

 7アールほどの整備地には1月に菜の花の種をまいており、3月下旬に見頃を迎える予定。笠井信吾会長(68)は「観光客を含めた多くの人に、きれいな景色を見ながらのんびり過ごしてほしい」と話している。

(四国新聞・2021/02/22掲載)


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