かつて三豊市にあった詫間海軍航空隊基地から出撃した特攻隊を題材としたミュージカル「海色のインクに恋して」が27日、三豊市詫間町のマリンウェーブで上演される。会場ロビーでは特攻隊員が家族に宛てた遺書など戦時中の品々を紹介する展示会も開かれ、基地があった地元で戦争の歴史と平和の尊さを訴える。


今月、三木町内で上演された「海色のインクに恋して」


 さぬき市を拠点に活動する「劇団プチミュージカル」の公演で、戦後75年に合わせて制作。マリンウェーブの開館20周年記念事業として実施する。

 ミュージカルは、戦時中に渡せなかった特攻隊員の遺書と恋人のラブレターが時代を超えて出合う物語で、隊員の実際のエピソードも一部盛り込んだ。劇団員は小中学生が中心で、若い世代が平和へのメッセージを発信する。「海色のインクに恋して」は今月までに高松市と三木町でも上演された。

 ロビー展示は上演日に行われ、ミュージカル観覧者のみ閲覧可能。出撃前の特攻隊員が書いた手紙をはじめ、当時の写真や小学生が使用していた防空ずきんなど戦時中の三豊地域を物語る品々が並ぶ。また、西讃プラ模型クラブの協力で詫間海軍航空隊の戦闘機の模型約10機も展示する。

 マリンウェーブは「詫間でも戦争の悲しいエピソードがあったことを地元から発信したい」としている。

 16:00開演。入場料は一般2000円ほか。問い合わせはマリンウェーブ、電話0875-56-5111。

(四国新聞・2021/02/25掲載)


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