新型コロナウイルスの影響で小豆島八十八カ所霊場を巡拝できないお遍路さんに代わって各寺院を回ろうと、島内のボランティアグループが15日、代参巡拝の取り組みを始めた。メンバーは2班に分かれ、16日までの2日間で番外の奥の院を含めた計93カ所を巡礼する予定。


お遍路さんに代わり、家内安全や無病息災などを願う小豆島八十八協力会のメンバーら=香川県小豆島町池田、明王寺

お遍路さんに代わり、家内安全や無病息災などを願う小豆島八十八協力会のメンバーら=香川県小豆島町池田、明王寺


 コロナ禍となり、島では来訪するお遍路さんが激減。今年1月の島開き法要でもお遍路さんらが行進する「練り供養」は中止され、各寺院の住職らのみが小豆島霊場総本院(香川県小豆郡土庄町)に集まった。

 そんな現状を憂いたのが、島内の観光事業者らでつくる小豆島八十八協力会(森本達雄会長、会員23人)。2月の会合で「お遍路さんの姿が見られないのは寂しい限り。代わってお参りしてあげよう」と代参巡拝を企画し、島外の先達ら約200人を通じて遍路団体などに呼び掛けて希望者を募った。

 今月10日の締め切りまでに鳥取県や兵庫県などから約400人の申し込みがあった。それぞれが願い事などを記したお札は、堂庵や山岳霊場などを除いた本坊29寺院に納める。申込者には後日、参拝の証しとして各寺院の砂を送るという。

 この日、住職の有志を含めたメンバー8人が、代参巡拝の出発点となる小豆島町池田の島霊場37番札所・明王寺(東口龍昇住職)に集合。本堂でそろって手を合わせ、お遍路さんに代わって家内安全や無病息災などを祈願し、託されたお札を納めた。その後、二手に分かれてスタートした。

 森本会長は「コロナの早期収束も拝むので、お遍路さんが早く島に戻ってこれることを願う。お遍路さんとのつながりは今後も大切にしていきたい」と話した。

 代参巡拝は、小豆島霊場会も昨年5月に行っている。


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