ドンザに見る漁民の知恵 瀬戸内海歴民資料館 瀬戸内ギャラリー開設
瀬戸内海歴史民俗資料館(香川県高松市亀水町)は、瀬戸内国際芸術祭などで注目が集まる瀬戸内文化の発信力を高めようと、新たな展示スペース「瀬戸内ギャラリー」を開設。今後、瀬戸内の歴史や美術、環境などに焦点を当てた企画展を順次開催する。その第1弾として、漁民の仕事着・ドンザを紹介する「布の力―漁民のドンザ」を開いている。企画展は6月27日まで。
瀬戸内ギャラリーは3月20日オープン。瀬戸内海歴史民俗資料館第1展示室の2階部分を利用した。広さは約100平方メートル。主催や関係団体、個人との共催による企画展を年3~4回開く。
開催中の企画展は、昭和期に県内などで使われていたドンザの展示を通して、布に込められた先人の思いや知恵をひもとくのが狙い。今回は冬用のドンザを中心に、国重要有形民俗文化財を含む19点を紹介している。
このうち、直島の網元が着用していた「サシコドンザ」は、15種類の刺し子文様による豊かな装飾が目を引く。漁の晴れ舞台に立つ息子のために母親が仕立てたもので、親の愛情や漁師のプライドがうかがえる。
一方、坂出市沙弥島の漁師のドンザは小さな布で幾重にも継ぎはぎされ、布や着物が大切に扱われてきたことが分かる。ほかに綿を詰め込んで保温性を高めた夜着としてのドンザも並び、その多面性を伝えている。
入場無料。問い合わせは瀬戸内海歴史民俗資料館、電話087-881-4707。
(四国新聞・2021/04/01掲載)
瀬戸内海歴史民俗資料館
所在地 | 香川県高松市亀水町1412-2 |
---|---|
営業時間 | 9:00~17:00 |
料金 | 入場無料 |
定休日 | 月曜日 |
TEL | 087-881-4707 |