2019年にため池としては全国で初めて国の名勝に指定された満濃池の南側に位置し、四季折々の草花が楽しめる「香川県満濃池森林公園」(香川県仲多度郡まんのう町)。静かで落ち着いた雰囲気の園内には、散歩をしたり広場で遊んだりと思い思いに過ごす人の姿があちこちに見られる。だんだんと暖かくなるこれからの季節は、花も見頃に。運動不足解消のためにも散策へ出掛けよう。

 取材のため訪ねたのはちょうど桜の時季。車を降りると、淡いピンクに色づいた大きな桜の木々が出迎えてくれた。園にはソメイヨシノが全部で約3500本あるほか、八重桜やシダレザクラ、ヤマザクラなども楽しめる。

 階段を下った先の「ファミリー広場」には、笑顔で遊ぶ家族連れが。竜をモチーフにした大きな複合遊具やブランコ、ネット遊具などが並び、隣には思いっきり走り回れる広場もあるのはうれしい設計。親子でキャッチボールなど自由に伸び伸びと遊ぶことができ、新型コロナの外出自粛でなまった体を動かすのに最適だ。

 続いて訪れた「芝生広場」は、1988年の「第39回全国植樹祭」、2017年の「第41回全国育樹祭」の式典会場にもなった場所。育樹祭の際に現在の天皇皇后両陛下がおかけになった席は、土間と建物の屋根や柱が今も残され、手入れされたヒノキとクロガネモチがそこに寄り添うように並ぶ。


水路沿いに真っ白な花を咲かせるユキヤナギ=まんのう町、県満濃池森林公園

水路沿いに真っ白な花を咲かせるユキヤナギ=まんのう町、県満濃池森林公園


 さらに歩みを進めると、長い水路周辺を真っ白に彩るユキヤナギが目に入ってくる。ユキヤナギの花言葉は「愛らしさ」。枝いっぱいに咲いた花がかわいらしく、思わず足を止めてカメラを構えた。近くには竹林もあり、ここでは先ほどとは違った神秘的な雰囲気の一枚が撮影できる。奥には、「都道府県の森」「市町の森」と名付けられたエリアが広がり、オリーブや松など全国の県木や県内市町の木が植えられている。


神秘的な雰囲気が漂う竹林=まんのう町、県満濃池森林公園

神秘的な雰囲気が漂う竹林=まんのう町、県満濃池森林公園


 遊歩道を歩いていると、木々の隙間から池が見えたり、野鳥のさえずりが聞こえたり。4月下旬には、森林公園内の至る所にツツジの花が咲き、さらに色彩豊かな風景が楽しめるそう。秋には大きなメタセコイアも色づく。たまには日常を忘れ、優しい自然に身をゆだねるのもいいものだ。問い合わせは公園管理事務所、電話0877-57-6520。


もうすぐ色鮮やかなツツジの群生も楽しめる=まんのう町、県満濃池森林公園(公園管理事務所提供)

もうすぐ色鮮やかなツツジの群生も楽しめる=まんのう町、県満濃池森林公園(公園管理事務所提供)


(四国新聞・2021/04/10掲載)


満濃池森林公園

満濃池森林公園


所在地 香川県仲多度郡まんのう町七箇字三田4109-24
開園時間 7:00~19:00
休園日 12月31日~1月3日
TEL 0877-57-6520


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