香川県立ミュージアムで17日から特別展「空間に生きる画家 猪熊弦一郎-民主主義の生活空間と造形の試み」(香川県立ミュージアム主催)が開かれるのを前に16日、報道関係者を対象にした内覧会が香川県立ミュージアムであった。洋画家・猪熊弦一郎(1902~93年)が手掛けた壁画や家具など空間を演出する作品と資料計約300点を紹介している。6月6日まで。


猪熊弦一郎展の見どころが解説された内覧会=高松市玉藻町、県立ミュージアム

猪熊弦一郎展の見どころが解説された内覧会=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 香川県立ミュージアムが猪熊の個展を開くのは初めて。猪熊弦一郎展では、これまであまり注目されなかった猪熊がデザインした浴衣や建築に関する作品を時代背景とともに振り返っている。この日は学芸員の一柳友子さんが作品を解説した。

 出品作のうち、三越の包装紙として知られる「華ひらく」(50年)は、箱を包んだ状態と、額に入れた原画を併せて展示。華ひらくは平面デザインでありながら包むと立体になることを想定して制作されており、猪熊の空間認識力の高さがうかがえる。

 東京・上野駅の駅舎に合わせて設置された壁画「自由」(51年)は写真と原画を紹介しており、芸術によって戦後の人々の心を癒やそうとした作家の意図も感じられる。このほか、猪熊がデザインした椅子やテーブルなど生活空間を彩る作品も並んでいる。

(四国新聞・2021/04/17掲載)


特別展「空間に生きる画家 猪熊弦一郎-民主主義の生活空間と造形の試み」

特別展「空間に生きる画家 猪熊弦一郎-民主主義の生活空間と造形の試み」


会期 4/17(土曜日)~6/6(日曜日)
閲覧料 一般1,100円、前売・団体(20名以上)900円 ほか
会場 香川県高松市玉藻町5-5(香川県立ミュージアム2階特別展示室 常設展示室4・5)
開館時間 9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日 毎週月曜日(5月3日は開館)
TEL 087-822-0002


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