香川県仲多度郡多度津町出身で戦前に競泳で活躍した香川県人初の五輪メダリスト、遊佐正憲(1915~75年)の業績を紹介する企画展が、多度津町家中の多度津町立資料館で開かれている。遊佐の二つの金メダルや表彰状などを展示しており、多度津から名スイマーが誕生した理由も解説。来館者は、遊佐の活躍ぶりを物語る資料に興味深げに見入っている。25日まで。


多度津が生んだ五輪金メダリスト、遊佐正憲の業績を紹介する企画展=多度津町家中、町立資料館

多度津が生んだ五輪金メダリスト、遊佐正憲の業績を紹介する企画展=多度津町家中、町立資料館


 遊佐は多度津中学校(現多度津高校)を経て、32年ロサンゼルス五輪の800メートルリレーで金メダルを手にした。36年ベルリン五輪は再び800メートルリレーで優勝を飾り、個人種目の100メートル自由形で銀メダルを獲得した。五輪のメダル3個は香川県人最多。


遊佐が獲得した32年ロス五輪(右)金メダルと36年ベルリン五輪(左)の金メダル

遊佐が獲得した32年ロス五輪(右)金メダルと36年ベルリン五輪(左)の金メダル


 本企画展は東京五輪を前に、地元出身のオリンピアンを町民らに深く知ってもらうのが目的。資料約100点を展示している。

 遊佐は幼少の頃から、町内の桜川河口や海で泳ぎに親しんだ。入学した多度津中では、校長が「五体の鍛錬に最高」として水泳を奨励し、五輪入賞者を指導者に招き、さらには町の近代産業の発展に尽くした豪商「多度津七福神」の景山家が当時珍しいプールを多度津中学校に寄贈。遊佐は水泳部で近代泳法のクロールを学び、プールで練習を重ねることができたという。多度津町立資料館は「当時の多度津には、遊佐の恵まれた才能を存分に引き出せる環境が整っていたのでは」と指摘する。

 五輪関係の展示は、ロスとベルリン両大会の金メダルに加え、五輪で着用した水着やペナントなどが来館者の目を引く。ほかにも、数多くの競技大会の記念品が並んでいる。

 また、遊佐の出生地などゆかりの場所を案内するマップを配布しており、多度津町立資料館は「金メダリストが生まれ育った多度津のまちをぜひ歩いてみてほしい」と呼び掛けている。

 無料。開館時間は9:00~17:00。月曜休館。問い合わせは多度津町立資料館、電話 0877-33-3343。

(四国新聞・2021/04/17掲載)

多度津町立資料館


所在地 香川県仲多度郡多度津町家中1-6
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料 無料
休館日 月曜日(祝日の場合はその翌日) 国民の祝日の翌日
TEL 0877-33-3343


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