香川県丸亀市中津町の中津万象園・丸亀美術館で、同館所蔵の絵画を披露する「バルビゾン派の巨匠たち」展が開かれている。ミレー、コロー、ルソーら19世紀に活躍したフランスの画家たちが田園風景などを写実的にとらえた名画が来館者を楽しませている。6月27日まで(水曜休館)。


写実的な風景画などバルビゾン派の作品を集めた展覧会=丸亀市中津町、中津万象園・丸亀美術館


 バルビゾン派は、1830年から70年ごろにかけてフランスで発生した写実主義作家の一派。パリ郊外のバルビゾン村やその周辺に滞在・居住し、自然主義的な風景画やそこでの暮らしぶりを伝える農民画などを数多く残した。

 同展では、同館が所蔵する作品からミレーの「風景」やルソーの「森の中で薪を集める人」など、バルビゾン村の風景やそこに生きた人たちの姿を描いた作品16点を選んだ。パリで大流行したコレラを避けるため、同村に疎開してきた画家も少なくなく、同館は「新型コロナウイルス禍の世相と似ている今だからこそ、揺れ動く巨匠たちの感情に思いをはせながら見てもらえれば」としている。

 加藤東一、片岡球子、奥村土牛ら12人の日本画家の作品を紹介する「四季の日本画展I」も同時開催している。

 開館時間は9:30~17:00。観覧料は一般500円ほか。問い合わせは中津万象園・丸亀美術館、0877-23-6326。


(四国新聞・2021/05/13掲載)


関連情報