江戸中期の人気絵師、伊藤若冲(じゃくちゅう)の代表作を西陣織で再現した作品の展覧会が17日、香川県丸亀市大手町の市生涯学習センター1階ギャラリーで始まった。精密な動植物画で知られる若冲の美を伝統技術で美しく描き出しており、多くの来場者を魅了している。20日まで。入場無料。


伊藤若冲の作品を再現した西陣織の展覧会=香川県丸亀市大手町、市生涯学習センター

伊藤若冲の作品を再現した西陣織の展覧会=香川県丸亀市大手町、市生涯学習センター


 作品は、京都市の織元の一つ、西陣美術織工房が制作。西陣織の魅力や高い技術力をアピールしようと、織元などでつくる実行委が2017年から全国で巡回展示し、丸亀市での開催は19年以来2度目。

 今回は大型の「旭日雄鶏図(きょくじつゆうけいず)」(幅47センチ、長さ130センチ)などの新作を含む約50点の掛け軸や額装を展示。旭日雄鶏図では松の枝に止まり、朝日に向かって鳴いている雄鶏の姿を、髪の毛よりも細い絹糸を縦に5千本、横に3万本使い、細部まで巧みに再現している。

 織物の緻密さをルーペで確認できるコーナーもあり、宇多津町から夫婦で訪れた西川皎さん(87)は「素晴らしい。いかに技術力が高いかが分かる」と感心していた。

 開催時間は10:00から17:00まで(最終日は16:00まで)。

(四国新聞・2021/06/18掲載)

丸亀市生涯学習センター


所在地 香川県丸亀市大手町2-1-20


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