丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市浜町)で19日、企画展「猪熊弦一郎展 いのくまさんとニューヨーク散歩」がスタートする。丸亀ゆかりの洋画家猪熊弦一郎(1902~93年)が米ニューヨーク(NY)に滞在した50~70年代にスポットを当て、猪熊が残した絵画作品のほか、自身が撮影した写真や映像、大量に保管していたダイレクトメールなどの資料を通じ、猪熊がいたNYを体感してもらう。9月5日まで。


米ニューヨーク時代の作品を集めた企画展=香川県丸亀市浜町、市猪熊弦一郎現代美術館

米ニューヨーク時代の作品を集めた企画展=香川県丸亀市浜町、市猪熊弦一郎現代美術館


 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館によると、猪熊は52歳から72歳までの20年間、NYを拠点に活動し、数多くの作品を残した。当時のNYは第2次世界大戦後の活気の中で最先端の芸術が集まり、猪熊の表現にも影響を与えたという。

 企画展では、NYでの生活の一場面を多く描いた雑誌の表紙絵やNYの建造物群に影響を受けた抽象画など絵画53点を展示。また、アトリエの窓からの眺めや路地裏の落書きなどを猪熊自身が撮影した写真約220点などを並べた。

 猪熊が8ミリフィルムで撮影した映像もあり、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館では初めて公開。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が2018、19年度の改修工事中に調査とデジタル化を行った映像をモニターに映し出しており、画家の目で捉えた当時のNYの様子をカラーで楽しめる。猪熊が大量に保管していたNYのさまざまなギャラリーから送られた個性豊かなダイレクトメールも展示した。

 今回の企画展は初の試みとして、雑誌編集者の岡本仁さん(67)=東京都在住=らに監修を依頼。猪熊ファンという岡本さんは「ユニークな猪熊さんの人柄や人生を伝えたい。写真や映像を猪熊さんの目と思って、一緒に当時のNYを散歩しているような気分を味わってもらえれば」と話している。

 開館時間は10:00~18:00。月曜休館。所定の入館料が必要。問い合わせは丸亀市猪熊弦一郎現代美術館0877-24-7755。

(四国新聞・2021/06/19掲載)

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館


所在地 香川県丸亀市浜町80-1
開館時間 10:00~8:00(入館は17:30まで)
休館日 月曜日(祝休日の場合はその直後の平日)
TEL 0877-24-7755

MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館



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