香川県坂出市の沙弥島は歌聖・柿本人麻呂が船を着けた際、歌を詠んだことで知られる「万葉の島」。新元号「令和」の出典が万葉集だったことに、有志でゆかりの地のガイドや研究などに取り組んできた同市西大浜北の中山博道さん(79)は「万葉ファンとしてはうれしい限り。風流で文化の香り漂う元号と思う」と声を弾ませる。


柿本人麻呂の碑が立つ坂出市沙弥島。新元号を機に「万葉の島」として注目なるか

柿本人麻呂の碑が立つ坂出市沙弥島。新元号を機に「万葉の島」として注目なるか


 沙弥島の浜には柿本人麻呂碑が立つ。「玉藻よし讃岐の国は国柄か―」。同市出身の作家・中河与一が、小さな島を万葉歌に取り上げた人麻呂を絶賛して1936年に建立したもの。その後、市が瀬戸大橋開通を機に「万葉の島」としてPRするようになった。

 島では毎年、人麻呂の歌とともに煎茶を味わう「万葉茶会」、万葉の暮らしを体験する「沙弥島万葉まつり」が開催される。中山さんは「県内で万葉歌が詠まれたのは坂出だけ。新元号を機に、坂出市や沙弥島があらためて注目されれば」と期待を込めた。

(四国新聞・2019/04/03掲載)



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