「夏詣」で平穏願って 初詣に続く新しい風習 小豆島 主要7神社、参拝呼び掛け
小豆島の主な神社7社が、今年から「夏詣(なつもうで)」を呼び掛けている。一年の平穏を願って正月に神社・仏閣に参拝する「初詣」から半年後の7月1日以降に再びお参りし、過ぎた6カ月間の無事を感謝するとともに、残る半年のさらなる平穏を願う新しい風習。7社では夏詣公式の提灯(ちょうちん)やのぼりを境内に掲げ、特別な御朱印を用意して参拝者を迎えている。
小豆島で夏詣を企画したのは、香川県神社庁小豆支部(支部長・三木孝男富丘八幡神社宮司)が中心となって組織した小豆島夏詣運営委員会(委員長・黒木崇史内海八幡神社禰宜(ねぎ))。小豆支部に所属する富丘八幡神社(香川県土庄町渕崎)、土庄八幡神社(香川県土庄町大木戸)、伊喜末八幡神社(香川県土庄町伊喜末)、離宮八幡神社(香川県土庄町肥土山)、内海八幡神社(香川県小豆島町馬木)、亀山八幡宮(香川県小豆島町池田)、葺田八幡神社(香川県小豆島町福田)の7社が参画した。
小豆島夏詣運営委員会によると、夏詣は2014年に浅草神社(東京)が初めて取り組み、現在は全国約270社が実施するなど広がりを見せている。小豆島の7社では開催期間を6月30日から8月31日までと定め、神社によっては夏越(なごし)の大祓(おおはらえ)神事などを行い、多くの参拝を呼び掛けている。
14日夕には内海八幡神社(黒木治夫宮司)で夏祭があり、大祓神事として茅(ち)の輪くぐりなどを実施。地元の家族連れらがカヤで編んだ直径約2メートルの輪をくぐり、無病息災や家内安全などを願った。茅の輪は8月1日まで設置される。
黒木禰宜は「暑くなる時季にも神社にお参りして健康などを願う夏詣が、新しい習慣として小豆島でも広がればいい。島内の各地域や他の神社とも連携し、より良い活動を展開していきたい」と話した。同委員会では、小豆島夏詣としてナイトツーリズムコンテンツの構築も構想しているという。
香川県内では高松市国分寺町の国分八幡宮なども夏詣に取り組んでいる。
(四国新聞・2021/07/19掲載)