香川証券(高松市)などは、瀬戸内海を活用した観光事業を行う新会社「瀬戸内アイランドクルーズ」を設立した。15日からクルーザーを使った海上ハイヤーサービス事業を開始する。瀬戸内国際芸術祭などで注目が集まる中、国内富裕層やインバウンド(訪日外国人客)らを対象にオーダーメードの船旅を提案。非日常の体験を通じ、瀬戸内海の魅力を広く発信する。


海上ハイヤーサービス事業で使用される予定のクルーザー

海上ハイヤーサービス事業で使用される予定のクルーザー


 陸上に比べて脆弱(ぜいじゃく)な海上交通を補いつつ、富裕層の消費意欲を喚起して地域経済の活性化につなげようと考案した。新会社には香川証券のほか、船舶メンテナンスのイシマル(高松市)やトヨタ系ディーラーのネッツトヨタ高松(同)などが出資している。

 事業開始に向け、全長12メートル以上の高級クルーザー3艇を確保した。1グループ5~8人での利用を想定。高松市内の飲食店と連携し、船内で食事や酒類が提供できる仕組みも整えている。利用料金は2時間で8万6400円から。航路はお薦めのコースのほか、希望に応じて自由に組むことができる。

 外国人客への対応をスムーズにするため、予約から電子決済までの手続きがホームページ上でできるシステムも構築した。同社は国内でも企業の行事や接待、結婚パーティーなどでの需要を見込んでおり、「ありそうでなかったサービスで瀬戸内海でしか体験できない魅力を国内外へアピールしたい」としている。

 今後は状況を見ながら船舶の大型化など事業の拡充も検討する方針。

(四国新聞・2019/04/05掲載)


瀬戸内アイランドクルーズ


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