香川県東かがわ市松原のしろとり動物園で、6~8月にかけて3種類のサルの赤ちゃんが計4匹生まれた。このうちコモンリスザルとコモンマーモセットの2種類は、しろとり動物園では初めての誕生。飼育員たちは、かわいらしい新たな命を授かったことを喜び、大切に育てている。

 しろとり動物園によると、新たに生まれたサルの赤ちゃんはコモンリスザル1匹、コモンマーモセット2匹(いずれも性別不明)、ニホンザルの雌1匹。ニホンザルが6月15日、コモンリスザルが8月17日、コモンマーモセットが8月30日に誕生した。


母の背中にしがみつくコモンリスザルの赤ちゃん(しろとり動物園)


 コモンリスザルは長いしっぽが特徴で、大半を樹木の上で生活する。しろとり動物園では2年前、初の園内繁殖に向けて過ごしやすいように飼育スペースを拡大。そこに約4年前から飼育する雌雄2匹ずつ計4匹を入れて見守ってきた。

 約半年前にこのうち2匹に交尾が見られ、その後に雌のおなかが大きくなっているのを確認。誕生した日の早朝、飼育員が飼育スペースを訪れると、母親の背中に赤ちゃんの姿があったという。

 現在も母親の背中や胸に常にしがみついており、母乳を飲んですくすくと成長している。体長も生まれた時から5センチほど大きい約15センチになった。主任飼育員の杉原康太さん(27)は「園としても念願の誕生」と笑顔を見せた。


コモンマーモセットの赤ちゃん(しろとり動物園)


 耳周辺のふさふさとした白い毛が特徴のコモンマーモセットの赤ちゃん2匹は雄「もー」と雌「まー」の間に生まれた。コモンマーモセットは父親も育児に参加するサルで、まだ耳周辺の毛が生えていない体長5センチほどの赤ちゃんが父親の首などにしがみついて甘えている。


飼育員に抱えられるニホンザルの赤ちゃん(しろとり動物園)


 誕生から約2カ月半となるニホンザルの赤ちゃんは、しろとり動物園で15年ほど暮らす雄トマト、雌ドナの間に誕生。当初はドナが育てていたが、他の雌による育児の妨げが見られたことから生後約1カ月で人工保育に切り替えた。飼育員の中村李歩さん(25)が「最初はミルクが入ったほ乳瓶を向けても嫌がったけれど、数日後からは飲んでくれるようになった」と振り返るように順調に成長。体長約30センチになった現在は果物や野菜が主食となり、名前も「ユラ」に決まった。現在はしろとり動物園の中央付近で展示している。

 3種類のサルの赤ちゃんは一般公開(開園時間は午前9時半~午後5時)しており、かわいらしい姿を見ることができる。杉原さんは「新型コロナウイルスの影響で暗い話題が多い中、新しい命が生まれて順調に育っていることはうれしい。今後も大切に育てていきたい」と話している。

(四国新聞・2021/09/06掲載)

しろとり動物園


所在地 香川県東かがわ市松原2111
営業時間 9:00〜17:00(入園は16:00まで) ※季節により若干異なる
定休日 2021年9月は15日、19日休園 
(10月以降休園日 未定。下記ウェブサイトの「休園日のお知らせ」を事前にご確認ください。)
TEL 0879-25-0998

しろとり動物園



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