香川と徳島の県境にある四国霊場66番札所・雲辺寺(徳島県三好市)で、ギボウシが涼しげな淡い紫色の花を咲かせ、参拝者を癒やしている。


本堂近くで涼しげな淡い紫色の花を咲かせるギボウシ=徳島県三好市、雲辺寺


 ギボウシはユリ科の多年草で山間部に自生し、ラッパ状の花をつける。漢字では「擬宝珠」と書き、つぼみの形が寺社の高欄や橋の欄干の柱頭部を飾る擬宝珠(ぎぼし)に似ていることから名付けられたとされる。

 雲辺寺では、アジサイが見頃を終えて紅葉が始まるまでの時季に境内に彩りを与えたいと、淵川敬心住職が発案し、10年以上前からギボウシを株分けして徐々に数を増やしてきた。今では境内のあちらこちらで見掛けられ、初秋の風物詩となっている。

 雲辺寺ロープウェイの山頂駅そばの花壇のほか、参道沿いや本堂、五百羅漢の付近などでも細長い花が連なって咲いている。見頃は今月中旬までという。

 丸亀市から訪れた50代の女性は「ロープウエーを降りてすぐの場所にきれいな薄紫の花が咲いていて、何の花かなと気になっていた。すてきだと思う」と心を奪われた様子だった。

(四国新聞・2021/09/08掲載)



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