香川県東かがわ市引田の市歴史民俗資料館は、昨年開催した東かがわ市引田の国史跡「引田城跡」にスポットを当てた特別展の内容をまとめた展示図録を発行した。引田城跡の魅力や歴史が一冊に凝縮されており、足を運べなかった人も引田城跡について理解を深めることができる。


東かがわ市歴史民俗資料館が発行した引田城跡にスポットを当てた特別展の展示図録=東かがわ市引田


 特別展は昨年3月に引田城跡が国史跡に指定されたのを記念し、2020年8月末から「播磨灘を望む城 引田城に迫る」と題して開催。約80日間行われ、600人ほどが訪れた。

 図録は当時の展示内容を紹介するとともに、引田城跡についての記録を残すことができればと、国史跡指定1周年を記念して企画。資料館の萩野憲司館長がA4判100ページにまとめた。

 図録では城跡から出土した瓦や、江戸時代に書かれた歴史書で文献としては初めて引田城が登場する「南海治乱記」など、特別展で並んだ約70点の史料を写真を交えて紹介。

 戦国時代末期に生駒親正が築いた石垣が良好に残り、豊臣系大名の経済・軍事政策や領国支配体制を知ることができるという引田城跡の歴史的な価値を説明しているほか、城跡に関する文献を理解しやすいよう翻刻や謄写し、活字化した史料も掲載している。

 萩野館長は「写真入りでできる限り分かりやすくまとめた。少しでも多くの人に引田城跡の魅力が伝われば」と話している。

 400部作製。県内の主要図書館などに寄贈したほか、資料館で130冊限定で一般向けに販売している。料金は1冊1200円。火曜休館。申し込み、問い合わせは東かがわ市歴史民俗資料館  0879-33-2030。

(四国新聞・2021/09/19掲載)


関連情報