2022年4月に開幕する「第5回瀬戸内国際芸術祭」の公式ポスターデザインが決まり、29日に芸術祭実行委が発表した。今回は初めて人物をメインに構成。瀬戸内の海や空を背景に島で暮らす高齢者の生き生きとした表情を捉えた。今後、リーフレットなどの印刷物などにも活用し、開幕が迫るアートの祭典の機運を盛り上げる。


2022年の瀬戸内国際芸術祭の公式ポスターデザインについて説明する原さん=香川県高松市、サンポートホール高松

2022年の瀬戸内国際芸術祭の公式ポスターデザインについて説明する原さん=香川県高松市、サンポートホール高松


 過去4回に引き続き、国内外で活躍するグラフィックデザイナーの原研哉さんがデザインを手掛け、写真は著名企業の広告などで知られる写真家の上田義彦さんが担当。撮影は今年4月下旬に高松市の男木島で行われた。

 デザインは3種類で、それぞれに島民の男女が1人ずつ登場。いずれも普段着姿の高齢者がカラフルなサングラスを掛け、浜辺でつえを手にポーズを取ったり、草むらに座ってにこやかな表情を見せたりしている。

 同日、香川県高松市のサンポートホール高松で原さんが会見。「島を訪れた際にあいさつしてくれるお年寄りの笑顔が印象的で、いつか彼らを主役にしたいと思っていた」と説明。「サングラスを掛けることで緊張がほぐれ、心がオープンになる。お年寄りの幸せが映し出された会心の作に仕上がった」と語った。

 芸術祭は3年に1度開催。第5回は香川・岡山両県の12の島などを舞台に春・夏・秋の3会期で開かれる。期間は22年4月14日~11月6日の計105日間。

(四国新聞・2021/09/30掲載)


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