香川県高松市西植田町の里山にある「ドングリランド」は、31ヘクタールの敷地にクヌギやコナラなどの落葉広葉樹や、常緑広葉樹が広がる森林公園。11月中旬に同所を訪ね、ウオーキングを兼ねて豊かな自然を満喫した。


舗装道を歩く「ころころコース」は親子連れらにお薦め=香川県高松市西植田町、ドングリランド

舗装道を歩く「ころころコース」は親子連れらにお薦め=香川県高松市西植田町、ドングリランド


 ドングリランドまでは高松市街地から車で約40分。県道43号(中徳三谷高松線)を南下して山道に入り、敷地に隣接する藤尾八幡神社の鳥居を越えて700メートルほど進むと、拠点施設になっているビジターセンターが見えてきた。

 ドングリランドの敷地内は24時間立ち入り可能(団体は要申し込み)だが、初めての人はビジターセンターを訪ねてから散策するのがお勧め。モデルコースを記した地図がもらえるほか、里山に関する資料などを閲覧できる。

 距離や目的地に応じて複数設けているモデルコースのうち、最も歩きやすいのが「ころころコース」(所要時間35分)。ビジターセンターのそばに立つ「森の入り口」の看板を起点に舗装道路を登り、往路はドングリが実るナラガシワやアベマキの木などを眺めてやや開けた「峠の広場」へ。復路は近道を兼ねた未舗装の「コブシ坂」を通って里山の雰囲気を味わい、ビジターセンターまで戻ってくる。森仁志センター長によると「ベビーカーを押して歩けるコース」だという。

 手軽に秘境探検がしたい人にと教えてもらったのが、ころころコースの起点から分岐した未舗装道を歩く通称「奥歩道」。ビジターセンターそばの山中を細長い半円形を描くように歩く短いコースと聞き、挑戦してみた。落ち葉が積もった道は、1人がやっと通れるほどの狭さ。木の幹に取り付けられた樹木名を示す札や、木を土中に埋め込んで作った階段などを目印にどんどん歩いていく。

 歩き始めてすぐはビジターセンターで遊ぶ子どもらの声が聞こえていたが、いつの間にか人の気配はない。自然に包まれていると野鳥のさえずりや土のにおい、積もった落ち葉や小枝を踏む感触などが鮮明に感じられ、なんとも面白い。奥歩道は終点でころころコースに再び合流。所要時間はゆっくり歩いて20分程度だったが、里山のディープな魅力を堪能できた。


未就学児とその保護者向けのイベントでは、かまどを使った昼食作りも体験できる=香川県高松市西植田町、ドングリランド

未就学児とその保護者向けのイベントでは、かまどを使った昼食作りも体験できる=香川県高松市西植田町、ドングリランド


 ビジターセンターに戻ると、未就学児とその保護者を対象に毎週開く「森の親子広場」の参加者がかまどで昼食を作っている最中だった。午前中にころころコースで拾い集めた木の枝をたきつけに使ったり、うちわで風を送って火力を調整したり…。昼食後は森で絵本を読む体験などを通じ、子どもに自然の大切さを伝えていた。

(四国新聞・2021/11/27掲載)

ドングリランドビジターセンター


所在地 〒761-0445
香川県高松市西植田町6082-2
TEL 087-840-4072

ドングリランド



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