香川県丸亀市浜町の市猪熊弦一郎現代美術館で、企画展「藤島武二と猪熊弦一郎展 サンプリシテとシンプル」が開かれている。丸亀ゆかりの洋画家猪熊弦一郎(1902~93年)の作品と、猪熊が生涯の師と仰いだ洋画家藤島武二(1867~1943年)の作品計57点を見比べられるように並べており、2人の歩みを振り返ることができる。5日まで。


猪熊と藤島の画風の違いが楽しめる企画展=香川県丸亀市浜町、市猪熊弦一郎現代美術館

猪熊と藤島の画風の違いが楽しめる企画展=香川県丸亀市浜町、市猪熊弦一郎現代美術館


 現在の鹿児島市で生まれた藤島は明治から昭和にかけて日本の洋画界をけん引。1896年から東京美術学校(現・東京芸術大)の教員として多くの学生を指導した。1922年に同校に入学した猪熊もその一人で、大きな影響を受けた。

 2人は作品づくりで単純化を重視し、藤島は「サンプリシテ」、猪熊は「シンプル」と表現した。一方、画風は全く異なり、藤島は各地に出掛けて描いた日の出の作品などが有名なのに対し、猪熊は単純な形を組み合わせた抽象画で知られている。

 今回展示されている藤島の作品30点は、東京芸大大学美術館や東京国立近代美術館など全国9美術館の所蔵作品。県立ミュージアム(高松市)所蔵の「五剣山の日の出」なども紹介している。

 担当する松村円学芸員は「藤島作品を一堂に見比べられる貴重な機会。2人が描きたいものだけを描くという同じ意識の中で制作したものが全く違う作品になった過程を楽しんでもらえれば」としている。

 開館時間は10:00~18:00。所定の入館料が必要。問い合わせは同館 0877-24-7755。

(四国新聞・2021/12/02掲載)

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館


所在地 香川県丸亀市浜町80-1
開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 月曜日(祝日休みの場合はその直後の平日)
TEL 0877-24-7755

MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館



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