香川県仲多度郡琴平町で文房具店を運営する会社と地元のバス会社が連携して、琴平での「学び」をテーマにしたツーリズム事業を始める。個人と法人向けに、ワークショップや地域で活動する人々とのディスカッションなどを盛り込んだプログラムを15日から販売。社員研修や休暇を楽しみながら働く「ワーケーション」などとして活用してもらい、同町の新たな観光価値を創出する。


モニターツアーで丸亀うちわ作りを体験する参加者=香川県仲多度郡琴平町

モニターツアーで丸亀うちわ作りを体験する参加者=香川県仲多度郡琴平町


 同事業は、同町で文房具店「琴平文具店」を運営する地方創生社(東京)と琴平バス(同町)が実施。琴平には香川の伝統工芸が体験できる染物店があったり、県外から移住して飲食店をオープンさせた若者がいたりと、豊富な地域資源があることに着目。プログラムを通して参加者の発想を導き、仕事のヒントにしてもらうほか、参加者と町内事業者の連携にもつなげる。

 地方創生社がプログラムの開発などを手掛け、琴平バスが開催する。個人向けプログラムはワークショップがメインで、ビーズ専門店でのアクセサリー作りやまち歩きなどを組み込む予定。法人向けはワークショップのほか、町内事業者とのディスカッションを行う。価格は個人向けが5万円から、法人向けが8万円から(ともに2泊3日で朝食と夕食付き、高松空港からの移動費を含む)。地方創生社のホームページからアクセスできる専用サイトで15日から販売する。

 販売に先立ち、モニターツアーが11月22~24日に行われ、首都圏から15人が参加した。24日には同町の染物店「染匠 吉野屋」で丸亀うちわ作りを体験。骨組みにのりを塗り、好きな和紙や布を貼り付けてから型抜きしてオリジナルのうちわを完成させた。

 地方創生社の近江淳社長と琴平バスの楠木泰二朗社長は「琴平の新たな価値を生み出し、町にとっても良い刺激になるような事業に育てたい」と話している。

(四国新聞・2021/12/14掲載)


『ラーニングツーリズム事業』


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