琴平バス(香川県仲多度郡琴平町)は、同町出身で画家などとして活躍した和田邦坊の絵を車体に描いたラッピングバスを導入、ツアー専用として大阪―琴平間で今月から運行を始めた。車内には邦坊作品のミニギャラリーもあり、香川となじみの深い邦坊アートとのコラボで関西からの誘客を図る。


和田邦坊の絵をデザインしたラッピングバス=香川県善通寺市

和田邦坊の絵をデザインしたラッピングバス=香川県善通寺市


 新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けている町内観光の活性化を図ろうと琴平バスが企画。観光庁の「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」の実証実験として助成を受けている。

 バスのデザインは邦坊作品を多数所蔵する灸まん美術館(香川県善通寺市)の学芸員西谷美紀さんが手掛けた。琴平と縁があるものにしようと、邦坊が同町の和菓子店の包装紙用に描き下ろした原画を採用。邦坊らしい力強い線とカラフルな配色が特徴という。

 また、車体の後部に同町の高灯籠が描かれた原画を取り入れたほか、車内は後部2列の座席を取り外してギャラリーを設置。風神・雷神と雨の神をデザインした風呂敷や高松城をモチーフにした丸亀うちわ、十二支を描いた絵馬など約30点を展示している。


バス車内に設けられた邦坊作品のギャラリー

バス車内に設けられた邦坊作品のギャラリー


 ラッピングバスは45人乗り。大阪を発着し、同町で宿泊する1泊2日のツアーで運行している。

 同美術館前で11月30日にバスのお披露目会があり、同社の楠木泰二朗社長らがテープカット。楠木社長は「道中もわくわくしてもらえればうれしい。バスの運行を通して琴平を盛り上げたい」と述べ、西谷さんは「バスに乗った人には『また香川に来たい』、バスを見た人には『香川に行きたい』と思ってもらえれば」と話した。

 ツアーの価格は6750~3万950円で同社のサイトで販売。実証実験は来年2月17日までだが、その後も運行は継続する。

(四国新聞・2021/12/16掲載)


琴平バスツアー


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