昭和初期頃まで、花嫁が近隣に配っていたとされる「高松嫁入人形」を題材に、香川県内の中学生が制作した人形の展示会「オニノコの願い」が高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開かれている。色とりどりのかわいらしい人形が床一面にずらりと並び、来場者を楽しませている。30日まで。


嫁入り人形を題材にした手作りの人形がずらりと並ぶ展示会=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 展示は、県内の中学校の美術教員らで構成する県中学校美術教育研究会と香川県立ミュージアムが共同で主催する「オニノコプロジェクト」の一環。プロジェクト名は、最初に活動を行った場所の女木島が鬼ケ島とも呼ばれることなどから付けたという。美術に関心のある生徒同士が交流することで中学の美術文化を活性化させるとともに、生徒の地域社会貢献にもつなげようと、定期的にワークショップの企画運営や作品制作などを行っている。

 本年度の題材は「高松嫁入人形」で、23校が参加。人形を配る風習は途絶えたものの、嫁入人形そのものは高松の伝統的な郷土玩具として受け継がれ、県の伝統的工芸品にも指定されている。

 会場の2階ロビーには、粘土でできた手のひらサイズの小さな人形約3800点を展示。奉公さんやだるま、招き猫など生徒一人一人の願いが込もった作品はどれも愛らしく、足を止めてじっくりと見入る人の姿もあった。

 香川県立ミュージアムの担当者は「たくさんの作品があるので、好きなものが何か一つはあるはず。ぜひ一度見に来て、お気に入りを探してもらえたら」としている。

(四国新聞・2022/01/17掲載)

「オニノコの願い」


所在地 香川県高松市玉藻町5-5(香川県立ミュージアム 2F西ロビー)
開催期間 1月2日(日曜日)~1月30日(日曜日)
開館時間 9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日 1 月17 日(月曜日)・24 日(月曜日)


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