香川県仲多度郡琴平町の琴平高校の生徒が同町の老舗和菓子店などと連携し、高松街道や丸亀街道といった金刀比羅宮につながるかつての「こんぴら五街道」をテーマにしたスイーツを開発した。各街道の地域で現在盛んに生産されているフルーツなどを材料に取り入れ、ムース入りの大福をもなかで挟んだ。生徒は「琴平を多くの人に知ってもらうきっかけになれば」と話している。


老舗和菓子店などと連携し、琴平高生が開発した「こんぴら五街道ムース大福」

老舗和菓子店などと連携し、琴平高生が開発した「こんぴら五街道ムース大福」


 スイーツの開発は、琴平を起点に地域活性化を図ろうと、同町に支店を持つ中国銀行(岡山市)が企画。同校や銘菓「灸まん」で知られる「こんぴら堂」(同町)に協力を依頼した。

 生徒はいずれも2年の宮本奈々さん(17)、長尾美咲さん(17)、黒川文佳さん(17)の3人。同校の総合的な探求の時間を活用して、昨年9月から約3カ月かけて考案した。

 商品名は「こんぴら五街道ムース大福」。丸亀街道は桃、多度津街道はブドウ、高松街道は抹茶、伊予・土佐街道はミカン、阿波街道はクリ・イモ―の5種類を用意した。それぞれの味のムースを求肥(ぎゅうひ)で包み、「こんぴら狗(いぬ)」にちなんで犬の肉球の形をしたもなかでサンド。種類によっては果肉や生クリームなどを中心に入れた。


開発した(左から)宮本さん、長尾さん、黒川さん=香川県仲多度郡琴平町、琴平高

開発した(左から)宮本さん、長尾さん、黒川さん=香川県仲多度郡琴平町、琴平高


 3人によると、当初はアイスクリームを挟むつもりだったが、持ち歩きしやすいように大福に変更。こんぴら堂の担当者と話し合ったり、試食をしたりして完成にこぎつけた。また、写真映えを狙って、かわいらしい見た目になるよう工夫したという。

 同校で12日、生徒と職員を対象に桃味と抹茶味を販売し、計約150個が次々と売れていた。3人は「多くの人が買ってくれてうれしい。このスイーツが琴平の新しい名物になってほしい」と話した。

 1個300円。22、23の両日に同町の新町商店街で一般向けに販売し、2月5日からはこんぴら堂本店で販売を始める。

(四国新聞・20221/01/18掲載)

新町商店街


こんぴら堂本店



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